契約制度研究委員会の調査を振り返って (問題点と課題)契約制度研究委員会では「公共工事請負契約の実態に関する調査」を本年度11月に実施した。この調査に当たっては従来の調査方法を見直し、調査のスピードアップ、回答内容の精度を高める、調査費用を削減することができる調査方法の検討をCALS検討部会高度情報技術活用WGで行った。調査依頼会社の情報化がかなり進んでいることを考えインターネットを利用したオンラインによる調査方法を採用した。この調査方法の選定経緯、及び調査によって得られた種々の問題点をまとめる。 7.2.1 調査方法の選定調査方法を決めるにあたり次の点について検討を行った。 ・従来行なわれてきた紙による調査票への記入、回答を止め電子媒体で回答できる調査方法であること。
・質問に沿って正しく回答されているかチェックする作業を省くことができる調査方法であること。
・回答されたデータが正しい値で入力されているか回答者が回答した時点でチェックすることができる調査方法であること。
・調査件数が大量であるため全て回収してから分析に取りかからなくても回答の都度データを集計できる調査方法であること。
これらの条件を満足する調査方法として次の2つの方法が検討された。 (1)EXCEL等での回答の方法を検討した結果、
・約2000件の回答データを集計マスターファイルに転記する作業が膨大である。
・調査票のファイルをフロッピーディスクで配信する作業量、フロッピーディスクのコストの問題。
・調査内容が一部変更になった場合のフロッピーディスクを再配信する作業の問題。
・EXCELが標準ソフトになっていない会社へ対する調査票の配布、複数のソフトに対応した調査プログラム作成の問題。
・マクロプログラムのEXCELのバージョンの違いによる動作の保証の問題。
等の諸問題があり本調査においてはExcelによる調査票の配信は適当でないとした。次に、 (2)インターネットを利用した回答の方法を検討した結果、Excelの検討で挙げた問題点は解決できるが以下の問題点をクリアしなければならなかった。
・回答者のコンピューターからインターネットに接続できる環境にあること。
・回答者がコンピューターを操作できることであること。
・調査票のプログラムが動作するインターネットブラウザがコンピューターにインストールされている。
つまり、現場事務所でのコンピュータ環境がどれだけインターネット接続になっているか、又現場のインターネット利用が日常的に行われているかが、今回のインターネットを利用した調査がスムーズに実行できるかどうかの鍵であった。
7.2.2 調査のシステムの説明調査方法を検討下結果、上記(2)のインターネットを利用した調査方法に決めた。この調査方法はインターネット上に設置してある土工協サーバーに調査回答データを格納するDB(Access97)を置き、インターネットブラウザを用いて直接回答者がDBにデータを登録するシステムである。これは、高度情報技術活用WGがインターネットを利用したWEBサーバーとDBの連携についての研究テーマを実用化検討するという位置づけでシステム構築に取り組んだ。プログラムの開発期間は約3週間であった。開発期間を短縮できたのはこのWG研究の中で類似のプログラム(CALS実証実験情報DB)を開発検証していた結果である。 しかし過去の研究実績を踏まえていても今回の調査では無作為のユーザー(調査回答者)、アクセス数、ユーザーの正しい操作等、未知数の問題を抱えての調査実施であるが故、大なり小なりのトラブル、混乱が発生することは当然予想した。これらのトラブルの対応に当たってはCALS検討部会の委員の方に自社内でのサポートをお願いすることで調査を無事終えた。 この調査を通して種々の問題点も明らかになり、今後の研究課題として大きな意味をもったことは高度情報WGとして大きな収穫であったと考える。 ここにこれらの問題点を報告する。 7.2.3 調査で明かとなった問題点(1) OS、ソフトの問題 ・Windows,マックとOSの違いによるJava Scriptプログラム動作の不具合。
・ブラウザソフトのバージョンの違いによりJava Scriptプログラムが正常に動作しなかったり、ソフト自体にバグ(NN4.05,4.07)があることがわかった。
対応案:CALSに準拠したプログラムが動作するブラウザソフトの選定(社内標準)ではバージョンまでを含めた検討が必要である。今回の調査ではソフト個々に対応した別のプログラム(IE3.0用)を急きょ作成し対応した。 (2) サーバーの問題 ・入力最盛期には頻繁にサーバーがダウンする現象があり入力に支障をきたした。サーバーのシステムリソース管理設定に問題があることがわかったが、サーバー管理者が事前にシステム環境をチェックできる技術能力があれば問題を回避できた。又、ブラウザを通じて送受信する上で必要な通信のセッション管理をプログラムで記述することでサーバーリソースの問題は解決できた。
対応:土工協サーバーに検証用サーバーを増設した。これで万が一システムがダウンしてもサーバーが提供する他のシステムには影響が及ぼさなくなった。又、開発用というサーバーの位置づけでプログラム開発者ばかりでなくサーバー管理者も同時にシステム検証できることにした。 (3) 操作上の問題 ・回答の内、現場で直接入力された割合は20%にとどまり殆どは本社・支店での入力であった。会社によっては最初から現場でのコンピュータによる入力に期待せず、現場へは紙での回答をお願いし、本社、支店で集計後、オンライン入力していたケースが約80%であった。現場事務所でもインフラ、ハードの整備は急速に進んでいるにも関わらず実際にインターネットを利用する(単にホームページを見るということではなく)という観点ではCALSの緒についたとは言い難い。各社ともインターネット利用技術の普及に力を注いでいかなければならない。
対応:今後、類似した調査等のインターネット利用の機会を増やし数多く経験を積んでいくことが必要である。経験を積むことによって以下にあったような問題は回避できる。 ・同一工事が複数登録されていたケースがあった。つまり送信ボタンを何度も押していたと考えられるが、今回はプログラムを改良し同一工事が登録されないよう対応した。
・数値データと文字データの混在入力にたいしては入力者の注意に頼るしか現在の方法は無いが、将来はXMLの登場で可能となる。
・パスワードの誤入力が原因で迷子になるデータ、つまり登録したはずのデータが検索されないケースがあった。
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